睡眠不足のリスク

 

「最近、寝不足だけど、なんとかなる」
そう思っている人は多いはず。
しかし、慢性的な睡眠不足は“なんとかなる”どころか、
体の根本的なバランスを崩す原因になります。


1章 睡眠は「回復」ではなく「再生」の時間

睡眠中、体はただ休んでいるわけではありません。
実はこの時間に、体は修復・再生・整理を行っています。

・筋肉や臓器の修復(成長ホルモンの分泌)
・脳の老廃物の除去
・ホルモンバランスの調整
・免疫機能の強化

つまり「寝る=体を再構築する作業」。
睡眠を削るということは、再生の機会を失うことなのです。


2章 睡眠不足が引き起こす病気のリスク

短期間の寝不足ならまだしも、
慢性的に睡眠が足りない状態が続くと、
さまざまな疾患のリスクが上がります。

  1. 糖尿病リスクの上昇
     睡眠不足はインスリンの働きを鈍らせ、血糖値が上がりやすくなります。

  2. 高血圧・心疾患
     自律神経が乱れ、血圧が下がらず“交感神経優位”が続くため、
     心臓や血管への負担が増します。

  3. 免疫力の低下
     ナチュラルキラー細胞(NK細胞)の働きが落ち、
     感染症にかかりやすくなります。

  4. うつ・不安障害
     脳のセロトニン・メラトニン分泌が乱れ、
     感情コントロールが難しくなります。


3章 睡眠不足は“肥満ホルモン”を増やす

睡眠不足は、実は「ダイエットの敵」。
なぜなら、ホルモンバランスを通じて食欲を狂わせるからです。

  • **グレリン(食欲増進ホルモン)**が増える

  • **レプチン(満腹ホルモン)**が減る

この結果、
「食べても満足しない」「甘い物が欲しくなる」「夜中に空腹」など、
過食のスイッチが入ってしまうのです。

さらに、睡眠不足は筋肉を分解し、代謝を下げるため、
「食べていないのに太る」状態に陥りやすくなります。


4章 質の良い睡眠をつくる習慣

  1. 寝る時間を一定にする
     体内時計を整えることが、最も重要な「ホルモン調整法」。

  2. 寝る2時間前はスマホ・PCを見ない
     ブルーライトはメラトニンの分泌を抑え、入眠を妨げます。

  3. 夕食は寝る3時間前までに
     消化活動が残ったままだと、深い睡眠に入れません。

  4. 軽いストレッチ・入浴で副交感神経を優位に
     深部体温を一度上げてから下げると、スムーズに眠れます。


5章 “寝る時間を作る”のも健康習慣

現代人にとって、睡眠時間は「余ったら取るもの」ではなく、
最優先で確保するものです。

筋トレ・栄養・整体、どれも大切ですが、
それを支える“土台”が崩れていては結果は出ません。

しっかり眠ることは、
最高のパフォーマンスを発揮するための「戦略」です。